手塚がドリーム





俺の好きな女性は、帰宅部の親分だ

微妙な表現して悪いが、彼女は、おかしら、おかしら、と呼ばれている
俺はテニス部の親玉と呼ばれている
彼女に玉はついてないからな
だからとりあえず半分コということで、親分と表現させてもらう
今の俺達の関係は、ただの知り合いだ
この関係、どう打破しよう
何かいい案はないものか

何が半分コなんだ、おい


「まずは友達になってみればいいんじゃないかな」
俺の女房、大石はそう言った
「そうだな・・・やっちゃえ♪」
遊び人の天才不二は言う
それができれば問題ないというのに
待て、まず前提からして間違いだ
「挨拶しまくれよ」
乾の確率論を俺は結局採用することにした
ありきたりだがな・・・
まずは名前を覚えてもらうことが先決だ

名前知られてないんじゃ知り合いとは言わんよ、コラ


朝の挨拶から始めよう
一日目 失敗。朝会わなかった
二日目 失敗。朝会わなかった
三日目 失敗。朝会わなかった


何故朝会えないんだ・・・・・・
俺が彼女の登校時間を知らないからだ
そうか、気付かなかったな
毎日時間をずらして、調べてみよう


もう一度再トライ
一日目 失敗。朝会わなかった
二日目 失敗。朝会わなかった
三日目 失敗。朝会わなかった


何故朝会えないんだ・・・・・・
始業のチャイムが鳴っても彼女は現れない
ということは彼女が登校してないことになる


授業中、俺は必死に考えた
彼女はもしかしたら不登校娘なのか?
いやしかし、たまに見掛ける
彼女はもしかしたら生徒じゃないのか?
いやしかし、制服着ていた
土日を挟んで、三日中俺は考えた
考えたあげく何も浮かばない

三日って考えすぎだろ


次の日さらに時間をずらして登校すると、彼女にめでたく遭遇した
挨拶をしようと思う
が、彼女の現在地は遠かった
今日を逃したら明日は会えなくなりそうだ
俺は走ることにした
眼鏡が落ちたのも知らずに走っていた


「おはよう」
「あっ、おっおっおはっ!?て、手塚くんだ!!」

1歩間違えればおっは〜って死語だな

彼女は俺の名前を知ってたのか・・・・

ここで国光やや嬉しそうな気配


「てづかー、どーしたにゃー?」
達成感に浸っていた俺に菊丸の声が掛けられた
「手塚、ホイコレ。眼鏡落としたよん。」
いつのまに掛けていた眼鏡を落したのだろうか
眼鏡を掛けると、知らない女が目の前にいた


「この人誰にゃ?」
「・・・知らん」
知らんってひどいな、ソレ

すると目の前の知らない女は、逃げるように走っていった
「手塚、知らない人に挨拶してたのにゃん?」
周りを見渡すと、1週間探していた彼女が校舎に入っていく後姿が見えた

む、無念


そして、振り出しに戻った


とにかく朝の登校時間だけは知ることができた





    完





あとがき

手塚がドリームしてます
ツッコまずにはいられませんでした


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