ウェディング 1


誓いの儀式が快晴な天候の下で行われようとしていた
今日という日を心待ちにしていた私は、緊張からかこころなしか体が強張る
そしてその時間はやってきた
オルガンの音が鳴りだし、私は親友のからブーケを受け取りベールを降ろす
踏み出した扉のその先に愛しの人の存在はなかった



「お相手は少々遅いようですね。」
神父様は小さな声で言葉を紡ぐ
私は壇上でマリア様の静寂のベールに包まれていた
その神秘的とも言える空間を割くべく携帯の着信音が鳴り出した
振り向くとざわめきの中心にオロオロしたがいた
あわてて彼女がその場を離れて外に出るとさきほどの静寂が戻る
・・・」
あれはの携帯なのだろうと思うと思わず笑みをこぼしてしまう
神父様も微笑んでいた



マリア様を見ていると不思議に心が落ち着いてくる
扉が開く音がして神父様が聖書を閉じた
これから始まるのだろうと俯いていた顔をあげる
私は背筋を伸ばすと彼の近づく足音を聞くべく目を閉じた


「・・・・
助けを呼ぶように私を呼ぶ小さな声がする
振りかえると泣きそうな表情のが扉の前で立ちすくんでいた
なにかあったのだろうかと私は駆け寄り真っ青な顔色の彼女から聞いた言葉は
「逃げられた」
という淡白な動詞である
新郎に逃げられた花嫁は来場のみなさまに残念ですがと報告をした
説明が足りないのか理解しきれていないお客さまはどういうことだと騒ぎだす
面倒だが一応感謝の意も表しておかなければならないだろうとお礼の言葉を言おうと壇上へ向かおうとしたとき、さきほどから相当居ずらそうにしていたが私をその場から連れ去った



駐車場まで連れて来られた私に
「なんでっ!あんたそんなに冷静なのよっっ〜〜!!」
と体ごと揺さぶる
言葉にするのもめんどくさい
そこでため息ひとつついた私を少しは正常だと思ってくれているのだろうか
「まあいいやそれは後で話しましょ?今はとにかくここまできたんだしとっととズラカるわよ!」
と彼女はオープンカーの前まで来て車の鍵を私に差し出す
「なに?私が運転するの!?」
「あたりまえじゃないのよ。私、車の免許持ってないんだから!!」
「じゃあこの車誰のなのよっっ!?」
「そんなの気にしなくていいわよ!多分友達のよ!後で電話するから早く逃げよっっ!!」
「そんなこと言ったってこの車高そーよ!?それにこのカッコで私にどないせいっつーの!」
「うるさいわね!アノ人たちのトコ戻りたいのっっ!?」
とりあえず私はレンタルした白いブライダルヒールを後部座席に脱ぎ捨て裸足で運転しようとするがどう考えてもスカートが邪魔なのである
車のキーをまわしてエンジンをかけるのだが、サイドブレーキがスカートに隠れて見つからない
わたわたしていると、男性がどうかしたんですかと声をかけてくる
相手の顔を見もせずに
「サイドブレーキがみつからないのよ!」
と半ばヤケになってそう答えると、
助手席にいたが「あーっっ!!」と大声をあげる。
キ―ンと耳鳴りがしたところで
「なんなのよ。こんどはなによ!!」
「かばん忘れたわ―!」
私は驚愕の事実に気がついた
「バカ!私も財布持ってないじゃない!!」
「そーだ財布―!」
「うるさいわね!ってゆかなんであんた免許持ってないのよ。てかなんでマニュアルなのコレ。片手運転!?しかも免許不携帯!?・・・・・モヤモヤも高速で飛ばしてみ〜る〜??(微笑)。目立つわね・・・・・とりあえず捕まっとく?」
「ちょっとあんたそれ死のドライブよ!そこの兄さんお願いだから運転変わってよ!」
それいいすぎだって。あ、でもついでだからそこの兄さん変わってくれる?」
半泣きのと微笑む私に頼まれたその男性は嫌とは言えずに運転手になった
「それでどこへ行くんだ?」
「で、どこ行けばいいの?」
「知らないわよとにかく逃げればいいのよ!」
再度エンジンがかかり、私達は教会を後にした














あとがき

これはドリームか?(笑)
18歳以上のための18歳以上のドリームです
18禁とかではないので読む分には問題ありません。

またケッタイなドリムが始まったなぁとか思ってください(続くから)
連載中毒よね、私って。(爆)



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