世界で一番信用できない  3


「それで今まで不二君と何話してたの?」
が答えるまでもなく、すまなそうな顔をしていて、
「はぁぁっっ〜〜!?何で私の話なんかしてんのよ!?」
階段を降りていた不二にも大仰なの声は届いていた。

「話すなら自分のこと話しなさいよ。」
「まあまあ。いいじゃない。面白かったし。」
私はから、ふん、と目をそらした。
「でもさ〜、ずいぶん久しぶりだね。こうやって話すの。」
曰く、せっかく去年よりものクラスの場所が近くなったというのに、遊びに来たって、肝心の本人がいないんだそうだ。
「はいはい。忙しくてごめんなさい。」
そういいながら私も、こうやってと話せる時間が持てるのは本当に嬉しかった。
「聞きたかったのはねぇ・・・、大会の話断ったって話。これは本当なの?」
「うん。ほんと。」
「弱小だから無理って言ったのは?」
「う〜ん。それも本当かな〜。」
実際似たようなことを言った記憶はある。
たしか、弱小ではなく、実力がないからだと言ったはずだ。
「かなってあんた・・・バカじゃないの?」
口調はきつく、心底そう思っているんだろうなと感じたのだが、顔をあげるとの目は透き通っていて、自分を深く覗き込まれているような心地がした。
この話題がフられた時は、軽くいなして適当にあいづちでも打とうと考えていたが、それを許さないと言外に言われている。
目があった瞬間、私は白旗を挙げて、正面から向き合うことにした。
「うーん・・・。そう見えるかもね。でもちゃんと考えた末での結論だから。」
「・・・・・ならしかたないっか。」
「うん。」
本当は考える時間などなかったに等しい。
聞かれたその場で答えたのだから。
時間はまるで与えられなかった。
がどれだけ知っているのかはわからなかったし、私はそう言うしかなかった。
帰宅部のには、まるで理解しがたい話であることを十分に承知していた。
「なんかあったら言ってよね。」
「うん。」
「何かあっても教えてくれなさそうだけど。あんた。」
「そう?」
「言ってくれなきゃ泣いちゃうからね。」
「はいはい。」
「話あったらいつでも付き合うから。ま、なくてもいいけど。」
「・・・・・・。」
「あんたみたいにvv」
は、が部活を休んでまで話をしようとしてくれているのに気づいている。
先ほどがどこかへ行ったのは、休みの連絡を伝えに行っていたのだろう。
以前と変わらない優しさが見え隠れしていて、暖かかった。
は、が心配してくれていただけで、ありがたかった。
「そうだ、。話、あったんじゃないの?」
「ん〜、もういいや。忘れちゃった。」
「よし・・・じゃぁ、あのロッテリアに行くか!」
「はぁっ!?マジで!?」
「付き合うって言ったじゃん。」
今日の奢りはどっちが出すかでモメながら、久しぶりに昔の関係が蘇えった感じがした。



それじゃ帰ろう、と鞄を持って教室をでようとしたとき
「あれっ?」
「ん?」
ロッカーの隅に一枚の紙がおちていたのを、が発見した。
それを拾うと、もう数字はみたくない、やだやだやだと悲鳴をあげる。
「やだー!!ちょープリントー!!うわっこれ難しそ〜!!」
「どこからみてもプリントだろ。どれどれ・・・。あ、これって、不二君のじゃない?」
「あっ、そうかも。、はいコレ。」
「・・・・・・机の中にでも入れとくか。」
どこが不二君の机の場所なのか忘れたので、自分の机にしまおうとすると邪魔が入った。
「いやっ!渡しに行こうっvvそうしようっvv」
「それが狙いかい・・・・・・。」
リズムにのってるを止める気は起きず、私は自然とためいきが出ていた。



しかし私たちはその日、遅くまで教室で話しすぎたらしく、コートに行ったが誰もいない。
当然のように不二君には会えなかった。時刻は部活の終了時間を指していた。




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