ヒカルとアキラに共通点があるとしたら・・・・それは囲碁かの事だろう

はいわゆるヒカルとアキラを繋ぐ存在
二人の会話を成立させるのが役目といっても過言でない


■アキラの家


「ついたぞ。」
ついた所は大豪邸の庭つき
広いけど風鈴とか似合いそうな日本家屋
着物とか着てる人がでてきそう
「ひえぇえぇ〜でっか〜!アキラの家って日本風だね。」
「そうだね。」
なんでもないことのようにアキラは答えている
凄いのは僕じゃなくて父さんだよとかさらっと答えちゃうんだろうな
育ちがええ・・・・似合いすぎるよアキラ・・・
「ねぇおがっち、アキラってボンボンなの?」
「そうだな。」
そう訊ねると緒方は頷く その隣でぼんぼんってナアニ?と聞くアキラ
お坊ちゃまってことだよというとアキラは少しむくれてしまった
「それよりこんなん買ってきちゃってどうするよおがっち」
「どうもこうも選んだのはおまえたちだろうが。」
「そうねー。あとはアキラにまかすわ。」
「大丈夫だよ。喜んでくれると思うよ。」
さきほどまでのむくれ面はどこへやら
なにかを頼まれると笑顔で答えてしまうのは習慣らしい
ただいま帰りましたとアキラの挨拶におばさんらしき人がお出迎え
超綺麗・・・・なるほどこのおばさんからアキラがでてくるのか
納得・・・・・・
「あらその女の子はどなた?」
「あ、私です。今日はお世話になるらしいんですが緒方さん言ってないんですね。」
「どうぞどうぞ。女の子が来るなんて初めての事で嬉しいわ。」
驚いた様子だったけど和やかに迎えてくれた
あがらせてもらおうとしたときに靴が異様に多いことに気付いた
他にも数人来ているらしいのでこの際一人増えても迷惑ではなさそうだ
おがっちも家にあがろうとしているし
「アキラ、今日はナニかパーティーでもあるの?」
「ええとこれは毎週の事なんだよ。」
毎週?毎週って一週間にいちどこんな状態ってことなのね

さん。手伝ってくださる?」
おばさんが私に手伝いを請うとアキラがそれを嗜める
「母さんお客さんに失礼だよ。」
「女の子だから華があっていいと思ったのですけど・・・。」
女の子が家に訪問するのは珍しい事なのだそうだ
娘がいるみたいで嬉しいらしい
「別に構わないですよ?おねえさんに言われたら断れませんよ。」
「あら嬉しいわぁ。」
さんー。・・・向こうはかなり騒がしいよ?」
「アキラさんもみなさんのところに持っていって頂戴。」
「はい♪」
ニッコリ微笑むアキラはやはり習慣なのだろう
嫌そうに微塵も感じさせないところがすばらしい

「失礼します。」
大広間に案内されていくと4人ほどそこに集まっていた
でたよやっぱり着物だよっ!
4人の中で一番年配の人が着物を着てずんと座っている
ものすごく偉そうな人だ。いい意味で威厳が漂っている
なんというか空気が澄んでいるような感じがする
目が合ってしまった
「その子は誰だね。」
私に聞いているのですか?おじさま
それともアキラに聞いているのか?
とりあえず名乗っておこうとしたらアキラに紹介された
「僕の友達のさんです。」
お辞儀をしておくとおじさんはうむと頷いてこちらに来なさいと促す
「お父さん、僕の友達に失礼なことはしないで下さいね。」
アキラ、今なんつった?
この人が親父さん?
アキラ・・・威厳がなさすぎる・・・
「お兄さん。なんでしょう?」
隣に座らされて訊ねてみると無理はしないでいいと笑う
ふんわりした笑顔だ・・・ああ・・・親子だ・・・私は妙に納得した
「君の実力が知りたい。」
なんですかっっとつぜんっっ!?
そこにアキラの助け舟
「お、お父さん。さんは囲碁をやりに来たんじゃないんですっ。」
「ん?アキラの囲碁相手じゃないのか?」
「おじさん。私、ルールくらいは知ってますけどやりたいんでしたらお付き合いしますよ?」
私がにっこり笑うと碁盤を囲んでいた一人のお兄さん(本物)がヨコヤリをいれた
「君っ、先生にそんなこと言ちゃダメだよぉ。」
「芦原君。気にするな。」
そういえば芦原って・・・アキラの友達って言ってたね
ダンキンばかり買ってくるのは間違ってると思うんだけどな
もっとおいしいもの買ってくればいいのに
芦原君の嗜めがあったがおじさんは全然気にする風でもないので私は調子に乗る
「そうそう。芦原君だっけ、先生っていうかアキラのおじさんでしょ?」
なんで先生って言われてるのかしらね
とりあえず教え子なんだろう
でもアキラの友達ならやっぱりおじさんはおじさんよ
その芦原は先生ってばいけませんよとちょっと拗ねた表情を見せる
碁盤を囲む他の人にもなっなっおまえもそう思うだろと同意を得ようとしている
それからむぅっと私を睨む
何がいいたいのかわからない
しまいにはおがっちに泣きついた
「緒方さんー。なんとかしてくださいよー。」
おがっちは芦原を払うと誰の助け舟なのかわからない言葉を発した
「先生。はアキラ君の友達なんだそうです。それも囲碁より話相手としての。」
「ふむ。そうか。囲碁相手なら実力を知らねばならんと思ったのだが。」
おがっちは私に助け舟をだしたのかなと思いながら棋力というものについて話してみた
「実力なんてないですよおじさん。だってこないだアキラとやったのが初めてだし。」
「ええっ!?そうなの?さんっ!?」
「なんでアキラそんなに驚くの・・・」
囲碁知らないんだねとかいって悲しそうにしてたくせに
「だって僕負けたんだよ。」
「「・・・!ほんとかい!アキラ君!・・・」」
アキラだけでなくってみんなまでなぜ驚く・・・
おじさんまで目を見開いてるよ
そっかアキラってプロなんだっけ・・・
その前に置石何個あったと思ってんの?
それはもうおもいっきり豪勢に並べられたわよ
「死活問題でポカやったんだけどね。」
えへへ。やっちゃった。とか舌だしてるよアキラ
なんていうか凄くかわいいと思うのは何故?
そのうち絶対世渡り上手になれるよね
ファーストフードもクリアしたし?

「アキラはどう思ったのだ?」
「正直僕なんかが判断してもいいものかどうかと・・・」
「どういう事だ、アキラ君?」
アキラはおじさんとおがっちに迫られている
そのウシロで芦原がオドオドしてるのが目に入った
「アキラ君ももうプロなんだから思ったこと言っていいんじゃないかな?」
別に何も思うことなんてないと思うんだけど
芦原のつたないフォローにアキラが答え始める
「基本はできて・・・難しい死活問題も解けるみたいなんですが・・・中間がないんです。」
芦原は口をあんぐり開けている
おじさんとおがっちは何か考えこんだ
アキラはなんであんなに難しい問題とけたのか・・・謎なんですと呟いている
それで一回戦やられちゃったんですよね・・・と首をかしげている
一回戦ってあの黒ひげ一発生きるか死ぬかでココに置けってやつ?
「ああ・・あれ?あれ塔矢名人戦詰め碁集とかいうやつに載ってたし?」
「ええっ!?そうなの?さんっ!?」
アキラ何驚きながら焦ってるの?
なにやらおじさんの周りに薄黒い霧のようなものが見えるのは気のせいか
「僕取ってきますっ!」
アキラはすごい勢いで走って去ってまた帰ってきた
「こ、これ?さん?」
渡されたのはそれらしき表紙の分厚い本
「うん。これよこれ。」
アキラはぱらぱらめくって見つけた
こ、こんなところに、となぜか感動している
「これ全部理解したの?」
「そんなわけないじゃん。意味パーよ。」
「それじゃ全部暗記したの?」
「それもあるわけないじゃん。少しだけ適当に覚えてたの。」
「なんでこんなウシロにあるような難しい問題解けたの?」
「だってさー。こういうパズルみたいな本ってウシロからやりたくならない?
難しいものほどやりがいあるっていうじゃん?
まー結局ちんぷんかんぷんだったから丸暗記だけど。
10問くらいは覚えたわよ。それから速攻寝むくなったわね。」
さん。それでも凄いよ初心者なんだし。」
あんまり嬉しくないわよね
だって丸暗記しといて意味パーだから?
「その手があったか・・・・・」
緒方はなにか考えている
おじさんもだ
「例の子はコレだったのかもしれんな・・・」
私には意味不明の呟きをおじさんが発した
そうかもしれませんねとおがっちが同意する
私が肩を竦めてアキラを見るとアキラは遠くの方を見る目をした


「それよりさー。アキラがプロでおがっちがプロならおじさんもやっぱりプロなわけ?」
私は爆弾発言をしたらしい
芦原が塔矢名人戦詰め碁集を掲げて塔矢という字を指しコレだよコレと詰め寄ってくる
なんか私詰め寄られた・・・・詰め碁みたいだなとかアホな事考えていると思い出した
「あー、トーヤってすげぇやつっって聞いた聞いた!」
そうそうヒカルが言ってたんだよね
トーヤの次の文字はなんだとおがっちに囁かれてさらに気付く
「メージン?・・・・・トーヤってそんなに凄いのぉ!?」
「これ・・・お父さんの書いた本なんだ・・・」
アキラが頬をちらりと染めて恥ずかしそうに答える
だあぁーっっ。可愛いっ!キューって抱きしめたいっっ!と思ったのもつかの間
アキラのおじさんを見るとニッコリ微笑んでいた
芦原の持っていた本をヒッタくってそれをおじさんの顔のヨコの辺りに掲げてみる
おじさんをみて表紙を見てまたおじさんを見る
塔矢名人は頬をチロリと染めてまたニッコリと微笑む
・・・・・・・・・・私はそのとき本を落とした



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