第一話 みなさんこんにちは




みなさんこんにちは。今日はいい天気です。
そっちのほうは悪くても、こっちはいいんです。ええかなり。

ところで、私 は昨日日本に着いたばかりです
父さんも母さんも他界したから他に行く所もなくてアクセク働いてました
そしたら突然綺麗なおばさまが来てこう言ったんです。
「一緒に住みましょう。」
はじめはなんだろうこの人とか思ったけど、貯めてた家賃の肩代わりなんてしてくれちゃって
もうこれは出世払いしかないわねとか笑うもんだからこっちもまあいっかって事になったわけ
そしたらそのおばさまさっさと私を日本へ連れてった
これは一体どういうことなのか…身代金目的か?
まあいいかおもしろそうだし
どこ行くんだろ


着いた先は一軒家。綺麗で広かった。
ついこないだまでボロアパートにいたからかなり感動した。
まぁ比べるほうがおかしいと思うけどさ
ここで何するんだろう
なんか仕事でもあるのかな
中に入ると男の人が立ってる
おばさまの夫なんだって
なるほどここでメイドでもするんだなって思ってたのに意外な言葉を聞く羽目になった
「あなた今日から私たちの家族にならない?」
なんだそれは聞いてないぞ
聞かれてないってそんな聞けばよかった。
そんな冷静でいいのか私
息子にも話してあるからってこの家族大丈夫なのか


「すみませんが、お断りします。」


ちょっと考えちゃったけどここはきっぱり言っておかなくちゃ
「どうしてなの?」
「両親に誇りを持っています。
それから愛情も感じてますし。
他界したからといって薄れるものではありません。
それはこれからも変わりません。」
あー、いいこというなあー私。
名言リストに乗っけておこう
いい気分で妄想にふけっていたら引き戻された
「出世払って言ったわよね。」
それはそうですがでもそれと引き換えになんてやっぱりだめさ
だからとりあえずここは即答それでも無理です譲れません
なんとか諦めてもらえんかな
「なら、一緒に住むだけでいいわ。」
私もこれは譲れないわよって念を押された
この人ってばツボを押さえてるな
それにかなり条件いいしこっちからお願いしたいくらいだし
それにいまさら帰れないし
断れないじゃん!
でもなんでだろう?ふつふつと疑問が涌き出てきた
「どうしてそこまでしてくださるんですか?」
「あなたのお母さんと私は友達だったのよ。」
へぇ〜そうだったんだ
知らなかった、なるほどね
さすがに条件が良すぎるので仕事させてもらおうと思ったが
あなたの仕事は学校にいく事よ、ってそれってますます条件が良くないか?
「というわけで今日からよろしくね。」
「よろしくお願いします。」
これ以上何か言うのも悪い気がしたのでこのへんにしておこう
そういえば向こうで仕事の世話してくれた人が日本にいるらしいから
バレないようにこっそりあとで電話でもしてみようかな
あんまり迷惑掛けたくないし


「それじゃあした学校に行って編入試験受けてもらいますね。」
おばさまはそう言うと私を部屋に案内してリビングへと引き返した


学校かぁ…そういえば父さん亡くなるまでは学校行ってたなぁ
母さんは一年前亡くなった。
父さんもそれから半年後に亡くなった。
それから父さんと二人で過ごした半年間は一人で家に居るのが寂しくて
ちょくちょく仕事を始めるようになった
父さんは怒るかと思っていたけど反対しなかったし逆に見守っていてくれた
両親が二人ともいなくなってからあのボロアパートに引っ越して
なんとか一人で生きて来れたのは、両親の愛情がすべてだったからだ
おまえは生きろと言ってくれた
だから好きなテニスもダンスも学校もやめて生きるために仕事をした


テニスラケットもダンスシューズも置いてきちゃったなぁ
どこに忘れてきたんだっけ?
それすらも忘れちゃったよ
それより今もっとも重大なことを忘れていないか?
なんだろう?さっきのおばさまの台詞……
え?あした試験?
ちょ・・・ちょっと待てっ勉強なんてしてないぞ
だって半年くらい学校行ってないんだからいきなり試験なんて困るよ
とりあえず言っておくか
落ちたときに落ち込まれても嫌だからなぁ



部屋を見渡すと生活必需品やらなにやら得たいの知れないものまで
所狭しと置かれている。
この荷物を解いてからでいいか、と手を進めた
手は口ほどの物を言うだっけ?
がそんな言葉を教えてくれたっけ
こういうときに使える言葉だな
あ・・でも使う相手がいないんだけど
しばらく会ってないなぁ。
日本にいるって知ったら怒るかなそれとも呆れるかな、あはは
荷物を解いていると何に使うのか分からないものが沢山ありすぎて誰か説明してくれー!!


どうでもよくなったはわけのわからぬ道具で遊び始めた



<<カチャッ……ただいま>>

<<おかえりなさい国光さん、さんが来ていらしてるわ>>



「コンコン・・・・・・息子の国光が帰って来たわ。会ってもらえるかしら」
「・・・・・・・・」
「変ねェ・・・・・さん、入りますよ」
「・・・・・・」
「入りますったら入りますよ・・・・ガチャッ」

はルービックキューブで遊んでいた。
遊び方を発見してそれはそれでおもしろかったのだが
だんだんと真剣になっていた
部屋のドアが開いたのはまさにムキになっている時
乱雑な部屋の真ん中でぽつんとムキになってルービックキューブをやっている
の姿はまさに壮絶としか言い様がない

クスクスッ・・・
ハッとしてドアの方を見るとそこに二人立っていた。
二人とも苦笑している。
「むぅ・・・・ふたりともなにゆえに笑うかなー?ところで君は誰だい?」
「・・・・・・・・・手塚国光です」
ほーほー、君があの噂の息子というわけだ
あのおばさまにはこんな大きな息子がいたんだな
こんなにおおきいとは思わなかったよ
んー、同じ年くらいに見えるけど・・・
そんなことあるわけないか


はっそれより挨拶せねば!
は手にしていたルービックキューブをその辺に捨て置き挨拶した。
です。国光よろしく(kiss)」
国光は固まってしまったがおばさまは笑いだした
むぅ…なぜまた笑うのだ
おばさまって変な人
私が変なのか?どっち?
「あのね・・・・さん、日本ではそういう挨拶はしないのよ」
「え?そうなんですか?国光ごめんなさいすみません私が悪かった。」
「い、いや。」
「あまり外ではやらないでね。家の中ではいいけれど。」
「それじゃぁ、手塚家のみなさんにだけってことで。」
「国光さんも問題ないでしょう?それでいいわよね。挨拶なんだから。」
「あ、はい。問題はないですが。」
「決まりね」
なんか国光君困ってるな
なんで困ってるんだ?
困ってる顔っておもしろいぞ。おばさま強いな。
そういえばおばさま何歳なんだ?


「おばさま、こんな大きい息子さんがいるとは聞いてませんよ。」
「あら言ってないもの。」
そうきたか
ここに来たときもそうやってやられたんだっけ
あれ?となりの国光ってば眉間に皺寄せてるぞ
まあいいや、無視だ無視
それより今は気になっている事があるんだ
聞かなきゃ今日は眠れない
「おばさま一体何歳なんです?母さんよりも若いはずですよ。
それでいて私と同じような年齢のむすこがいるなんて詐欺ですよ。」
「あら・・・・・・女は謎が多いほうがよろしくてよ」
むぅ・・・・・・なにがあっても年齢は教えん気か
・・・・・・さすが母は強しというだけあるな
これもに聞いたんだっけ

あんたってすごい!
いつか会うことがあったらナデナデしてあげなくっちゃ
おや・・・・・・?国光の眉間の皺が消えている?
表情のコロコロと変わる奴だ
スガスガしているようにも見えるのはなぜだ?
なんだか嬉しそうだ
「国光さん、いつも年上に見られるからって拗ねるのよ。
でも今日ははじめて年相応に見られたのね。なんだか嬉しそうだわ。」
ナイスつっこみ!正解だったか。
「なるほど。それで一喜一憂か。」
「アメリカで育ったというのに難しい言葉を知っているな。」
に教えてもらった。
の話をしてあげるから荷物の片付け手伝って。」
半ば強制的だな
その交換条件はすこしおかしくないか?
この乱雑さを見れば誰だって手伝いたくなんかないぞ
いや逃げるに決まっている
「手伝ってくれるよね。・・・・・・ここにあるやつ何に使うか説明しろ」
クスクスッ・・・・
「これから楽しくなりそうね」
「かあさん・・・・・・向こうへ行ってくれ」
「わかったわ。」
ため息もでるさ。
半ば強制的じゃなく多分強制的なだけなんだ
「あ、おばさま。明日の試験ですけど、多分落ちますよ。
半年学校行ってないわけだし全く勉強してないし。
それにもし受かっても卒業できるか危ういよ、やる気ゼロだから。」
「絶対受かるわ。向こうでは成績トップだったでしょ?
それに国光さんがいるから大丈夫よ。
だって同じ学校ですもの。
卒業できなかったら責任取ってもらえばいいだけよ。」
「ならいいけど。国光がんばってね」
「頑張るのはおまえだろう」
「「まさに運命共同体ね」」
母さんもも実に強制的だな




次行ってみよー



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