第二話　編入試験の日

――編入試験の日


今日は土曜日
「昨日は眠れたか？」
「うん。もうそりゃぐっすりだよ。」


きのうはわけのわからん道具の説明をしてもらった
この箱は４次元ポケットかってくらい色々でてきたよ
そう言ったらなぜか怒られた
友達に教えてもらった言葉なわけで私に責任はないぞ!
あの箱に入っていたのはあのルービックキュービックはもちろん
人生ゲームとか電卓とか辞書とか電池とか置き時計とか消臭材
他にもいろいろもりだくさんでかなりごちゃごちゃしてた
電卓っていえばかなり驚いた
アメリカじゃかなりデカイからな
日本人って器用だな。こんな小さい電卓作るなよ
たばこの箱より小さいんだよ
指じゃ押せないって
あと日本の文房具。あれはすごいね。
なにがすごいって質が違うよ。
紙質は全然違うしえんぴつは書きやすいし
それに消しゴムはすんーごい落ちるし
あと２４時間経つと文字が消えちゃうサインペンとか
一体何に使えるのかわからない
消えちゃだめじゃん（笑）
透明な赤い下敷とか緑とかもあった
テープが５・６個入ってたけど捨てていいとかいうから本気捨てた
そしたらこれは燃えないゴミだとか言ってお説教だよ
結構神経質だね
でもなんだかんだ言っても最後まで付き合ってくれたわけでおばさまみたいに
聞けばちゃんと答えてくれるからなかなかいい性格をしてるわ
よく眉間に皺寄ってて無愛想なやつだけど



きのうはあれからずっと道具の説明をした
俺はもうかなりヘトヘトだ
この箱４次元ポケットだろって聞いてきた時さすがに俺は
どこでそんな言葉を覚えて来るんだって声に出してしまった
そしたらだそうだ
そういえばの話をしてくれるって言ったハズだが
なんだか騙された気分だ
ＰＳ２ないの？って聞くからないと答えたのだが
そしたらなんでないのってまた聞いてくる
なんだか堂々巡りだなって困ってたら眉間に皺寄ってるといわれた
結構気にしていることなんだが相手に悪意がないから怒るに怒れない
なぜそんなに気になるんだ？って逆に訊ねてみたところ
“一家に一台ＰＳ２”と自信をもって答えられた
それはテレビのことなんじゃないか？
アメリカ人は日本人が全員ＰＳ２を持っていると認識しているらしい
何度か“〜してもいい？”と顔色を覗うように聞いてくる
ＣＤを聴くときにもどこまでボリュームあげればいい？って聞いてくるから
結構人に気を遣うタイプであることを知ってなかなかいい性格をしているなと思う
嫌とは言わせない雰囲気が漂っていたが
不思議な事に嫌悪感はない
それにしても昨日のルービックキューブ事件は面白かったな
かなり必死な顔してたからな
菊丸に今度渡してみようか
たぶん同じような反応が返って来るだろう
楽しみだ


「、試験のほうは大丈夫なのか？」
「んー……どうだろ。」
「自信ないのか？」
「びみょー」
自信ないわけじゃないけど自信あるわけがないっていうか・・・・・・
「母さんはが成績いいって言っていたが。」
「思いっきり昔の話だね。」
これは即答だな
「おばさまってさ。なんかすごいよね。」
頭があがらないっていうか・・・・・・
変な人っていうか・・・・・・
強引なところとか・・・・・・
「もしかしたら裏でなにかやってるかも」
「それはない」
おーおー、つっこまれた
やっぱりツッコミとボケって必要だよね
でも表情変えないで突っ込むのはやめてくれないかな
でもなんか国光っぽいからいいか


そして学校に着いた
「こっちだ」
は国光のうしろについていく
「でかっ・・・・・・」
素直な感想ありがとう
ちなみに国光のことではない
これもデカイけど
はキョロキョロしていて、もしかするとこのまま逃げそうなので強引に連れていく
国光流シックスセンス（第６感）発動
結構当たっている
というよりも好奇心がすでにテストの存在を忘れさせていた
「せっかく忘れてたのに〜」
やっぱり忘れてたのか！（手塚の心の中）
「試験はいつ終わる？」
「早く終われば終わっただけ。」
「昼までには終わるだろう。あとでテニスコートに来てくれ。」
「テニスコート？」
「ああ。俺はこれからテニスの練習があるからな。それが終わったら昼だ。」
「ＯＫ」
テニスか……国光ってどんなプレイするんだろうな。


国光に職員室に連れられて、開き教室に通された。


英語・数学・国語・化学・物理・日本史・世界史
ええーっと、英数国は必須？
ヒッスってなんだ？
とりあえずやっとけば文句言われないだろ
キュウスって言葉ならきいたことあるな
あとで国光に聞いてみようかな
さてと、ちゃっちゃとやるか・・・・・・


英語英語っと。よしっ
せんせー、英語終わった。次行っていい？
駄目なの？そんなのってないよ
時間配分なんていいじゃないですか、めんどくさい。
時間が来るまで待ってろ？待ってるだけ時間の無駄じゃないですか。
それに先生もはやく帰りたいんでしょ。私も早く終わらせたいんですよ。
やっと意見が一致しましたね。
だったら全教科まとめて時間取っちゃいましょう。

数学・・・・・・んー因数分解ってなんだよ
おいおい・・・・・・意味わかんない
こういうのって聞いてもいいのかな？
あのー先生ちょっと。因数分解って英語でなんて言うんですか。
あら・・・・・・先生黙っちゃったよ
え？聞きに行くんですか？
ついでに英語の先生連れてきて下さいよ。また聞きそうですし。
頼みましたよ、じゃーこれあとまわしね

国語は・・・・・・謎
必須だけど私には関係ない世界だね。時間あったらこれで暇潰そう。

化学と物理どっちか一個選べ？んー、なんだろなー
化学・・・・・・カタカナいっぱい。これ肩こるよ。これかなりヤダ
物理・・・・・・あーこれならわかる。図がいっぱい。
たぶんこんな感じかなー
この最後の図見たことないなぁー
でもこれだけ解いてりゃノープロブレムでしょ

日本史世界史どっちか選べ？・・・・・・世界史選ぶに決まってるだろ
えーっと・・・あー、そういうこともあったなぁ
なつかしいなぁ
え？先生何？うるさい？すいませんね。
でも私一人なんだからいいじゃないですか。
俺がいるだろって、なんでやねん
先生ボケうまいっすねぇ。
ところで英語の先生来たんですか？
まだですかー。早くしてくださいよー。
歴史なんて飽きちゃいましたよ。
先に国語やれって？そんなことしてたら寝ちゃいますよ。
お昼どころじゃありませんね。
なに？もともとお昼の時間なんてない？
２時半に終わる予定？
なんですと
子供は不規則な時間にご飯をたべちゃいけないんですよ。
おや？英語の先生ついにご到着ですか。

数学なんですよね。ちょっと待ってて。
えーっとこれこれ因数分解ってなに？読めないし。
え？あ？するってぇーとこんな感じにやるやつですかね。
そうそう？それそれ。で…こうなると。
こちらの先生はすごいですねぇ。数学の先生みたいです。
そんなに謙遜しないで下さいよ。
でこっちのほうも知りたいんですけど。
ああー。もしかしてこれってこうしてこうしてこうやるんですかね。
なるほどー。ほんとにすごいですね。
数学の先生になれますよ。
最後に一個だけ難しいのがあるんですけど。
これですこれ。
先生やっぱりこれって難しいんですか？
やっぱりそうなんですか。これじゃぁ解くに解けないですね。
え？あそこにいる先生は本物の数学の先生なんですか？
先生そんな隅っこの方に居ないでこちらにきてくださいよ。
こちらの先生と一緒に説明してもらえませんか。
先生ってば本物の数学の先生なんでしょう？
あたりまえだっていわれても、教えてもらわなきゃ解けないじゃないですか。
日本語難しいんですから。先生が頼りなんですよ。
頼みの綱っていうんですかね。じっとみてないで説明してくれませんか。
どうやって解くんです？
え？まさか解けないなんてことないですよね。
本物なんですから。
だったらあっちでこれ解いてみてくださいよ。
解けるまで帰しませんよ。

もー、世界史にも疑問があるんですよ。
ちょっと英語の先生離れてかないで。
おや、あの貫禄のあるかたはどなたです？
校長先生ですか？そんなに偉大な方が来てくださるとは光栄です。
校長先生もどうぞこちらに来てください。
今みんなで疑問を解決している途中なんですがね。
試験？ああ日本語がむずかしくて把握すらできないんですよ。
ですからこうして英語の先生に来てもらっているんです。
それでですね。校長先生って何年生まれなんですか？
お、それはちょうどいい。
あのころってちょうど日本ではオイルショックがあったとききましたが
先生は経験なさったんですか？ほうほう。それはすごいですね。
へー。日本はそんな感じだったんですか。<
じゃぁ他の国ではどうだったんですか？日露同盟？
たしか他にも似たような名前の同盟もありましたね。
でかかっているんですけどでてこないんですよね。
日仏同盟？そっちじゃないんですよ。えーっと今の方はどちらさまですか？
竜崎先生ですか。途中からで申し訳ないんですけど参加してもらえますか。
さっきのお話ですが…なんでしたっけ。
日仏同盟じゃなかったら三国同盟。
いやぁすっきりしましたよ。

試験？いえいえそんなものよりも先生方の経験談を
聞かせていただくほうがよほどためになります。
こういったことはめったにありませんからね。
千載一遇のチャンスとでもいうんですかね。
え？ああこれはアメリカの友人に教えてもらったんですよ。
向こうで暮らしていたんです。
日本が好きらしくて他にもいろいろ教えてくれましたよ。
さっきのは千と一だったじゃないですか。
五十と百だったら五十歩百歩とか。

そんなに笑えますかね。意味知らないで使っているんですが。
一と千だったらどうなるんでしょう。一遇千載ですか？
おや違うんですか。いちじせんきん？
竜崎先生、どう書くんですか？なるほどー。
ちなみに四と歌だとどうなるんです？しめんそか？
どういういみですか英語の先生。
わからないですか。ちなみに書けなさそうですね。
竜崎先生はかけるんですか？校長先生は知っていそうですね。
よければここに書いてもらえますか？
ふむふむ…。すごいですね。
おや…国光君ではないですか

「先生方………何をしていらっしゃるんですか？」
「国光はもう部活おわったの？」
「いや、すこし様子を見に来ただけだ。」
「おや…君は手塚と知り合いなのかね。」
「ええ。知り合いというより友達です。」
「それは珍しいこともあるもんじゃ。」
「それより手塚君あちらの隅で悩んでいる先生がいるんだけど
手伝ってあげてくれるよね。もうお手上げ状態。」
それより校長先生は本当に物知りなんですね。
見習いたいと思います。
そういえばさきほど国語の問題で作者の気持ちを書けとあったんですが。
そういう問題ってどう思いますか？
私ははじめて見たんですが。
向こうにはありませんよ。
作者の気持ちは作者にしかわかりませんから。
ほう・・・・・・。では引用しろという問題なんですか。
かなりの疑問が解けました。まだまだ日本語は難しいですね。
「それはそうと、国光。そちらの先生の疑問は解けた？」
「もうすこしだ。」
おや、もうそんな時間ですか。
先生方の貴重なお時間を使わせてしまいましたね。
こちらもまだ試験をしなければならない身ですから。
とても参考になりました。お戻りになってください。
さて・・・・・・英語と物理は終わってるから、世界史・国語・数学の順か
・・・・・・日露日仏三国同盟か
・・・・・・一字千金四面楚歌と引用せよか

「おや、竜崎先生はお戻りになられないんですか？」
「手塚に用があるんじゃ」
「おやそうですか。ついでにさきほどのことなんですが」
「なんじゃ」
「さっき校長先生が引用するってお言葉ですけど具体的な感じが掴めなくて
どの辺をを挿していると思いますか？」
「そうじゃな……このへんかな……」
「終わったぞ、竜崎先生どうしたんですか」
「だいぶ感じが掴めてきました。竜崎先生お手数をお掛けしました。
国光にお話があるそうですよ。ちなみに部活はあとどれくらいで終わる？」
「そうだなあと３０分位かな。」
「この分ならコートの方にいけるから心配しないで。」
「じゃぁ先生あちらで」
「隅っこ先生、数学の疑問は解けたって本当ですか？」
本当に解けたんですか。見せてもらいますよ。
へぇー。本当に解けたんですね。おつかれさまです。
でもこれ解いたの先生じゃないですよね。
あいつ数学できるんだな
できそうな顔してるもんな
あと残るは国語だけか
せめて１０分くらい考えてみるか・・・・・・



「手塚……あの子誰だい？」
「竜崎先生、がどうかしたんですか？」
「っていうのかい。あの子はテスト中ではなかったのかい？」
「ええそうです。編入試験中のはずですが。」
「編入試験？？・・・・・・・・・あっはっは。
あの様子じゃぁ合格はまちがいないじゃろうな。
この学校の生徒になるわけか。面白いねぇ。あのこはすごいよ。」
「すごいというのは？おかしな丁寧語を混ぜてはいましたが」
「いやぁ……さっき先生が何人かあの教室にいただろう？」
「えぇ。世間話をしてました。校長先生がいたので止めませんでしたが。」
「実はね………」
世間話をしながら問題の解答を教えてもらっていたんだよ
私も校長先生がいたくらいだからと思って気付かなかったねぇ
あの場に最後までいなかったらわからなかったよ
先生達が解散すると即座に解答用紙をひっぱりだしてきたから気付いたよ
手塚、気付かなかったのかい？
おぬし先生に教えてたじゃろう。
あっはっは……あれは試験の問題だよ
といったか
校長先生を味方につけるとはねぇ
これからが楽しみだ
話しをしてみたいのぅ
コートのほうで待つとするか
「・・・・・・・・・・・グラウンドでも走らせます。」
うちの家族も楽しいと言っていたが竜崎先生までもか
校長先生もどうかしている・・・
普通は気付くだろう・・・
ああいうのを人当たりがいいと言うのだろうか
俺には真似できんな
真似したくもないが
今さら他人のふりはできないな