第五話 初登校


今日から青春学園の2年生
担任の先生に連れられて、自分のクラスに行くところ
制服ってのをはじめて着たよ
結構ありがたいね
洋服足りないって騒がなくて済むから
そういや英二とか秀一郎とかどうしてるのかな

――転入生を紹介する。
――です。よろしく
――開いてる席に座ってくれ
開いてる席が二つほどありますが?
――不二手を上げてくれ。不二の隣の席に着いてくれ。
――ハイ
ああ、あの人のほうね
みんなこのクラスじゃないみたいでつまんないなー
でもあの席窓際でぽかぽかしそうだしラッキーといえばラッキー

「僕は不二周助。さんこれからよろしくね。」
「うんよろしく。」

本来ならこのニッコリ不二スマイルで普通の女子は悩殺されるのだが、あいにく アメリカで生活していたはいやというほど見慣れているので動じたりなどしなかった。
あえていうと“この人友達になれそうだな”と考えていた。
ただなんとなく視線を感じたのだが、転入生ってこんなもんかなと口にだすことはしなかった。
はそんなことよりヒナタのことで頭いっぱいである。

「教科書ださないの?」
「なんの教科書?」
「日本史だよ」
なぬ?しょっぱなからそれか?
そういえば職員室で教科書山ほどもらったっけ
「日本史ってどれ?」
バラバラバラ………机のうえにぶちまける
「えーっと………これかな?」
「THANKS」
「それから……これとこれが今日使う分。」
「………」
気がきくねぇ
あぁ机の上が使えない状態
たしかにぶちまけたのは私だ
どうにも片付ける気にならないな
このままどこかへ捨てちゃおうかな
あっ。そりゃだめだ
教科書って無料じゃないんだっけ
「どうしたの?」
「あー。ロッカーとかないの?」
「先生に教えてもらってない?」
「うん。」
「だったら僕のロッカーにでもいれとくよ。」
「THANKS YOU」



日本の歴史の授業が始まった。
この教科書折り目がついてなくて綺麗だなぁ
開きたくないけどそういうわけにはいかないか
字が一杯・・・・・・何をいってるのかよくわからない
黒板ながめて30分。とりあえずノートを取ってみる・・・・・・
しまった、ノート持ってきてない
やることないなぁ
目が重い・・・・・・

さん。起きた?」
さん、もうお昼だよ。」
「フジサン?」
は・・・・・・寝てた?
もう昼なの?早すぎない?
さんって面白いね。僕のことは不二って呼んで。」
なんか笑ってるけどちょっと怖いよ
私には呼べって聞こえるんだけど
「不二。・・・・・・わたしのことはで。」
。お昼だから一緒に食べない?」
「ありがと。そうだ不二、あとで校舎案内してくれない?」
「かまわないよ。」
このひとの笑顔って曲者だよなぁ
YESと言わせる魔力があるよ
こういうタイプって面白そう
友達に一人欲しいぞ
それよりさっきから視線を感じるな
転入生ってこんなもんか

教室をでて不二に校舎を説明してもらったのだが青春学園はあまりに広い
ごっつ広すぎー
「覚えきれん。」
「必要な時は僕が案内してあげるよ。」
「不二って親切!!顔に似合ってやさしいぞ。」
「そう?」
「そう!顔に似合わずやさしいとは反対の意味だね。」
って面白いね。」
「私のことはよくわからんけど不二も面白いね。友達に欲しいよ。」
「じゃぁ友達になろうか。」
「YES!不二ってノリノリだね。ノリノリ人間を私はもう一人知ってるよ。」
不二はさりげなノリノリ君だね
またあの魔力を見れるかな
「!!〜!!」
背後から大きな声がする
振りかえれば英二が廊下をダッシュしている
英二?なんでそんなにダッシュなんだ?
もしかしてそのままタックルするつもりか?
それは結構痛そうだぞ
私が一応女の子なんだってこと知ってるかい?
プロレス技はやめてくれ
「とりあえず不二、友達記念に。」
<<ガバッ>>
一部のギャラリーから歓声があがっている
〜〜」<ぎゅうぎゅう>
?これはどういうことかな?」<ニッコリ>
「友達記念に身代わりになってもらおうかと言おうとしたんだけどね」
発見!!答えさせる魔力発見!
さっきはYESといわせる魔力だったのに!
不二ってばおいしいとこどりっ!かっこいいっ!
いろんな魔力持ってるね
「不二、やっぱりそれって結構苦しそうだね」
「英二、僕はじゃないんだけど。」
おっ不二の目が少し開眼!
「うにゃ!?ふ、ふじっ」
英二ってば慌てて離れて
私に後ろに隠れて怯えているよ
あれはどういう魔力かな?
まさに魔王だね
不二侮りがたし、さすが友達!
「それより不二、じつは英二と知り合いなの?」
も知り合いなんだね。」




―放課後
HRが終わったとたんさっきの話に華が咲く
「盾にされたときはびっくりしたよ。」
「怒った?」
「そうでもないけどどうしてそう思うの?」
「魔力が発動してたから。」
「魔力?」
「YESといわせる魔力。答えさせる魔力。あと威圧する魔力。」
「そう言われてもうれしくないなぁ。」
「けなしてないわ。誉めてるのよ。
少なくとも私にはそうみえたってだけだけど。
不二は魔王よ。さすが不二!最高の友達ねって思ったくらいよ。」
不二は苦笑している
「なんだか楽しい気分になってきたよ。」
「それはよかった。力説した甲斐があったわ。」
「そういえば英二と友達なんだよね。」
「そうよ。タックル事件の前に話したノリノリ人間は英二のことよ。」
「あはは。それじゃぁが噂の人なんだね。」
「噂?」
「手塚の恋人ってうわさだよ。」
「手塚ってあの手塚国光?どんな噂よそれ。私は恋人じゃないわよ彼は友達。
ちなみに彼が顔に似合わずやさしい人ね。」
不二は笑いを堪えている
「笑いたいときは笑った方がいいわよ。笑いをためすぎると腹痛辛いわよ。」
……うしろ……」
ん?うしろになんかあるの?
「不二……人を話のネタにするな」
手塚国光が眉間に皺を寄せて立っている
「国光なんで怒ってるの?眉間に皺寄せてたら不幸を呼ぶわよ
ちなみに話はどこから聞いてたの?」
「恋人じゃない……くらいからだが」
「なら国光はやさしい人だって言ったの聞いてたでしょ?
なんで怒るわけ。それよりなんなのあの噂?」
噂ってのは真実に尾ひれはひれがついてできるのに真実はどこにある!
「話を広めたのは菊丸だ。それに菊丸の恋人だという噂もあるぞ。」
「英二ぃ?あいつは真実を知ってるはずよ。」
私がモテない事を気にしてるの知ってるはずよね?
あらてのいやがらせ?
それとも何?
私の新生活の歓迎でもしようっての?
英二にそんな度胸はなさそうね
きっとなにかの間違いよ
「不二、その噂どっから拾ってきたの?」
「昨日知らない人から手塚に恋人いるか聞かれたんだ。
知らないって答えたけど。」
「よくやった不二。英二の恋人も国光の恋人も私ではないわ。
今度聞かれたら私は恋人じゃないから存分に楽しんでって答えておいて。
不二ならきっと魔力でなんとかなると思う。」
「…………」
「不二、友達ってのは助け合うものなのよ。断ってもいいけどそしたら不二と
英二の噂を私が流すわよ。もちろん故意に。あら偶然、目撃者もいるわ。」
「うーん。それは困るなぁ。」

「それじゃぁこれは解決ね。」
「不二ついでだ。しばらくの周りに気をつけてくれ。」
「なんなのそれ。これ以上不二に迷惑かけてどうすんの。
不二は私の友達なんだから迷惑かけたらだめでしょぉ。
………おや?不二と国光って友達なの?」
「うん」
「じゃぁ不二と国光と英二と秀一郎ってもしかすると友達なの?」
「うん。4人ともテニス部員で友達だね。」
なんですとう?そうなのかっ。
だったらはじめから4人でいろ。4人で。
「不二、あんたは今日から周助よ。バランスが悪いわ。」
「いいよ。」
「じゃぁ今日から私を入れて5人組になったわけだ。ゴレンジャーだね。」
「あはははっ……」
「くっくっく……」
「周介やっと笑いだしたわね。国光あんたも笑いたい時は笑った方がいいわよ」
「……堪えてると眉間の皺が増えるよ。」
「そこ周助。人の気にしてるとこ釘ささないの。それに私のセリフよそこ。」
「あと国光。話を戻して悪いけど私の周り…ってなんの話?」
さっきからずっと気になってるんだけど

「ファンクラブゥ〜???」
「そう。」
「あんたたちほんとにモテるんだ。」
「でも手塚ファンが一番多いんだよ。」
「なぜ国光?私が予想するには周助が一番多そうよ。」
「そう?ありがとう。」
そりゃそうよ当然よ
いつもニコニコしてるんだから騙されるにきまってるじゃない
「国光がなぜ周助よりモテるわけ?」
「手塚はテニスが強いからじゃないかな。」
「国光は周助よりテニスが強いの?」
「はっきり言われるとつらいなぁ。」
ということはほんとにそうなのね
魔王に勝てるなんて閻魔様くらいのもんよ
「国光すごいじゃない。裏でなにかやってない?」
「やってない!」
「即答だな。でも私は周助の方が凄いと思うけど。」
「そういってくれるとうれしいな。でもなんで?」
「雰囲気に呑まれそうだし。」
「なんて言っていいのかわからないよ。」
「わからなくてもいいのよ。誉めてるんだから。それよりこれから部活?」
「今日はないよ。」
「だったら帰ろ。」
さっきから痛いほど視線を感じるのよ
そんなに新入生って珍しいのかしらね
とにかくさっさとここからおさらばしたいわ

待て。」
「なに?」
なんで止めるの?
「今日は洋服を買いにいくはずだろう?」
「そうだっけ。」
「昨日言っただろう?だいたいシャツが2枚しかないのはおかしいんだ。」
「え?2枚しか持ってないの?それはおかしいを通り越してヤバめだね。」
「だってお金がもったいないじゃない。それに私は貧乏娘なのよ。」
「一枚くらい払ってやるから買いに行くぞ。」
「僕も一枚買ってあげるよ。」
もしかして君達金持ち?
「そこまでしなくていいってば〜」
「だめだよあまりに悲惨だからね。手塚がムキになるのも仕方ないよ。
 このままならひきずってでも連れていくだろうね。
 そしたら二人で行く事になってあの噂は消しようがないよ。
 もっとひどい噂になるかもね。
 それにが良くても僕は良くない。
 だっては僕の友達だからね。
 友達のこと悪くいわれるのはやっぱり許せないよ。
 それに多数決での負け確定だね。」
「むぅ〜」
絶対本気だ。確信犯だよこの人は。
セリフ長いし。どこで息継ぎしてるんだ?
それにさっきから私はここから離れたいのよ
「助かった不二。昨日からずっとこの調子なんだ。」
「わかったわよ行きますって。だったら英二と秀一郎も誘うわよ。」
「なんで?」
「だってゴレンジャーでしょ。」
「それなんだけどね。あと二人テニス部員の友達がいるよ。」
「それは私の友達じゃないわ。」




次行ってみよー



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