ラブレターからはじまる


朝学校に行くとラブレターが入っていた。
「昼に屋上に来てください」
丸くてかわいい字をしている
女の子からの手紙かぁ
何度もこういう経験はあるけど
名前が書いてないってのは珍しいな
それでも何度か経験したことがある



――昼


、昼食べないの?」
「あ、ごめん。今日ちょっと用事済ませなきゃいけないんだ。」
「なにかあったの?」
「ラブレターもらったから。」
「ラブレター?」
「今日靴箱に手紙入ってたんだ。なんか用があるみたい。」
「ねぇ、それって男から?」
「女の子だよ。」
「だったら行っちゃだめだよ。」
「え?」
周助の表情が曇っている
「用があったらかわいそうじゃん。」
「それきっと僕らのファンからだよ。それに用があるなら向こうから来るよ。」
「そう?じゃあとりあえず行くだけ行ってみるわ。」
そう言い残してさっさと行ってしまおう


不二は手塚と菊丸を探しに行く
だがいない
なんとか大石を見つけた
「大石、ちょっと来て。」
大石に話すとあわてて場所を聞かれる
「僕も場所まで聞いてないけど。とりあえず屋上に行ってみよう。」





屋上


「あなたちゃんと来たのね。」
「あなたは誰ですか?」
「私は…………部長のファンよ。」
「部長って?」
「テニス部の部長よ。」
「ああ、あの人か。」
「あなた彼に何したわけ?」
「何って?」
「彼すごく落ち込んでるのよ。もうかなりヘコんでるの。それはもう。」
「そんなに酷いの?」
ヘコむってすごい表現だな
缶がへこんだりする感じか
その落ち込み具合は相当なもんだな
「あなたが原因だってみんな言ってるわ。あなたのせいなんでしょ!?」
そうなの?そうかなぁ……。
沈んでるんなら私のせいかもしれないけど
ヘコむくらいはなぁ
”べこっ”とか音するくらいなんでしょ?
とりあえず部長はそんな状態なんだね
「ふーん。」そっかぁ
「なによ。その態度。かなりムカツクわ。」
「あなたが怒るようなことでもしたかなぁ。」
「なによあんた。質問にちゃんと答えなさいよ。」
「あのさ。とりあえず本人に聞くのが一番じゃん?今から聞きに行こう。」
だから行こう。今すぐ行こう。
「なにすんのよ。ひっぱんないでよ。」
「だから聞きにいけばいいんだよ。」
「行けるわけないでしょ?」
行けないの?それって恥ずかしいとか?
「じゃぁ替わりに聞いてきてあげるよ。」
そこで待ってて



屋上にいないね。」
「不二、そんなに悠長してていいのか。」
「ここにいると思ったのにな。」
不二ちょっと開眼
大石ちょっと押されぎみ
「他によびだされそうなところは体育館とかか?」
「あと校舎の裏とか。」
「行ってみよう。」





は一度教室に戻った
周助に部長の教室教えてもらおうと思ったのになー
いないのね
どうしようかなー
職員室って嫌いなんだよなー
向こうじゃと一緒にブラックリストにのってたからな〜
よくお説教受けたっけ
天におります我らが神よ・・・・とかいって
棋聖降臨!ってあれこないだ見たアニメのCM?
ミサの話してたんだけどな
と考えていると、見たことのある顔の人がいた



さん、キョロキョロしてどうかしたの?」
「水分君か」
「え?」
「えっと。タカさんだっけ?」
「覚えててくれたんだ。うれしいな。」
「タカさん聞きたい事あるんだけど聞いてもいいですか?」
「えっと、何?」
「ダン・テニ部長って何組ですか?」
「え?部長?ええっと・・・・・・・・・・ごめん。わからないや。」
「そうですか。知ってそうな人知りません?急ぎなんですよ。」
「えっとちょっと待って。乾に聞けばわかるかも。」
「犬?」
犬に聞いても言葉しゃべれんだろう?
「あはは。いぬいだよ。テニス部員の。データ集めが好きだからきっと知ってるよ。」
「へー。」
テニス部員なんていっぱいいるからわけわかんないし
「どこにいけば会えますか?」
「一緒に行こうか?」
「ありがとうございます。」
「あの……敬語を使われるの慣れなくて、普通に話してくれるかな?」
「わかったそうする。」
切り替え早いな
「それじゃぁ行こうか。こっちだよ。」
「こっちね……」
こっちとかあっちとかよくわかんないけどさ
そっちじゃないんだね
とりあえずついていけばいいんだね
知らない人じゃないからついていっていいんだよね、





「乾、居る?」
出で来た男は背が高い
とこかでみた顔をしている
「河村、何か用?あれ?その人…」
「あ、ノート君だ。」
「俺に用?」
「乾、部長のクラスって何組?」
「えーと、たしか。」
あ、あのノートだ
あれ?
「昨日のノートと違いますね。」
「え?これは公開用でね。」
DATE NOTEって書いてあるけど
日付ノートってカレンダーかなにか?
それともデート用マニュアル?
それにしてもそんなものだしてくるなんてオツだねぇ
デートノートね・・・
そのノートに部長のことがかいてあるの?
へぇー、この人部長さんが好きなのか
「それで部長は何組なんですか?」
「12組だね。」
「ありがとうございます。タカサンもありがとう。」



「あ。タカサン。三年の教室ってどうやって行くの?」
「ねぇ。部長に何か用なの?」
「ええ。(乾さんも部長が心配なのね)、一緒に行きますか?」
「え?そうだな。興味あるな。」
やっぱり
「じゃぁ、行きましょう。急いでたりするんですけど。」
部長モテるねぇ



、戻ってきてないね。」
「どこに呼び出されたんだろう。」
「おかしいなぁ。絶対屋上だと思ったのにな。」
「他に行きそうなところあるかな?」
「んー、これだけ探したのにな。乾に聞いてみようか。」
不二やや開眼





三年の教室前
「部長いないってさ。」
「部長が教室にいないとなると残るは部室だな。」
「行ってみる?」
「行こうか。」



「あ、いた。」
国光と一緒?
部長も国光もそんなところで何隠れるように話してんの?
何?国光と部長ってランデブー状態?
二人ともひそひそ話してるね
それにしてもなんかもめてるな
愛の痴話喧嘩?
それはまずいよ
ここに乾さんいるからね
もしかして二人の戦闘でも始まる?
モテまくりだね、部長さん
ああっ、乾さんの眼鏡が輝いてる
プライベートにつっこんじゃいけないのはわかってるよ
わかってるけど、面白そうじゃん
「なんか面白そうだからもうちょっと見てようか。」
そんなに悠長でいいの?乾さん
タカさん困ってるね
もしかしてあの二人止めたがってる?
そうはさせないよ
私も面白そうだと思ってるんだよね

キーンコーンカーンコーン……

あ、昼終りだ
人待たせてるんだよね
「ごめん、時間切れ。ここまでありがと、じゃね。」
ダッーシュ



おくじょう、おくじょうっと
ピューッ
廊下をダッシュしていると友達発見
「おっ、周助に秀一郎のシューコンビ!」
名付けてシューズ!!
「あっ、そんなに慌てて大丈夫かい?」
「んー、今急いでるの。」
「どうかしたの?」
「人待たせてるの。」
「どこ?」
「屋上。急がねば。」
、僕たちも行くよ。」
「そう?」
もうチャイムなってるよ?
気付いてるよね
それでもいくの?



一方
「取り残されちゃったね」
「ああ。でも手塚と部長の会話に興味があるな。」
キラーン☆
「うっ、あ、そう?。あ、終わったみたいだよ。」
「おまえたち何か用か?」
「部長にね。」
「放課後にしろ。もうチャイムがなったぞ。」
「さっきさんと来てたんだ。」
「いないが。」
「部長に用があるらしくて連れてきたんだよ。チャイムと同時に消えちゃったけど。」
「でも俺は手塚と部長の会話の方が気になるけど?」
「そういや部長なんか困ってたね。」
「ちょっとの事でな。」
「あとで聞かせてもらうよ。」





屋上にて


「ア〜!アウト〜〜!!」
しまった。遅かったか
はぁ〜、疲れた
結局部長には聞けないし、色恋事件はあるし。
あの女の人の名前も知らないし。昼食べ忘れたし。
結局何もできなかったじゃん。
……帰るか
、説明してくれるよね?」
は?周助開眼?
ねぇ、なんで秀一郎?
なんかした?
秀一郎ため息?
、今までどこ行ってたんだい?」
「呼び出されてたでしょう?」
「ああ、あの手紙のこと?」
「何があったの?」
「ある用事を頼まれた。」
「それだけかい?何もされなかったかい?」
ああ、ファンに殺されそうになったとかならないとか?
そんなことはなかったよ
頼み事するのに態度がでかかったくらいで
「何を頼まれたの?」
「部長の落ち込んでる理由を調べろって。」
「「部長?」」
「うん。部長ずいぶんへこんでるんだって。」
「あの試合で負けたからかな。」
「悔しそうだったけど今更ヘコむってのはどうかな。」
「うん。それで本人に聞けばって言ったけどダメらしくて、それで私が代役」
「なるほど。」
「それで部長に聞いたの?」
「あとで話すよ。」
昼おわっちゃったし
帰ろうよ



階段をおりると英二に遭遇
「あ、英二。」
「英二、どこ行ってたんだい?」
「お菓子の匂いがするね。」
ピクッ、が反応しています
手に大きな箱を持っている
「それなに?」
「隣の教室、調理実習だったからニャ。いっぱいもらってきたんだ。食べる?」
「食べる!それ頂戴!今すぐ頂戴!箱ごとかして。」
即答したのはもちろん私
「嫌ニャ〜!!」
言うと思った
ならば拉致らせていただきます!
「そう。じゃぁ英二ごとかりるね。」
「うにゃ〜!」
「ちょっと、どこいくの?」
「屋上へ拉致!」
、もう授業はじまるよ。」
はじまるよっていうか、もう始まってるんじゃん?
つーか遅刻でしょ
「そんなものは知らん。今日は昼食べれなかったんだよ。あっはっは諸君!
ここに食べるものがあるということは教室に戻る必要はないのだよ。」
「それってサボりなんじゃないかい?」
「そうともいうね。それじゃぁ君達は帰って結構だよ。二人で分けるから。」
「待ちなよ。僕も行くよ。」
「なんですとっ?」
「僕は帰るだなんて一言も言ってないよ。
それに僕はずっとを探してたんだよね。
行き先言わないからかなり探しちゃった。
だからまだお昼食べてないんだよ。
それにおいしそうな匂いもするしね。
そこに食べるものがあるってことは
それを食べろっていう神様の思し召しだよ。
もちろん大石も一緒だよ。ね?」
「あ、ああ。」
ずいぶんとこじつけのような気もするけど
「食べるなら食べるってはじめから言えばいいのに。」
「なにか言った?」
「いーえ。」
最近周助とのこの会話(漫才?)も板についてきたな
周助の開眼にも見慣れてきたし
慣れって怖いな





そして屋上でサボり

「それで部長には聞いたの?」
「何の話してるの〜?」
「今日ね。部長が落ち込んでる原因を聞きにいったんだってさ。」
「いや、それがさー、おかしな事になってて聞けずじまいだったんだよ。」
「「「おかしな事?」」」
「笑えるっていうおかしいじゃなくて、変なんだよ。」
「変って?」
「周助の友達のタカさんと乾さんだっけ、その人達に連てってもらったのね。」
「へえ〜。」
「そしたらそこに国光が居てさ。それはもうおかしな構図なんだよ。」
「どういうこと?」
「国光が邪魔してる感じ?」
「「「邪魔?」」」
「ちょっと違うかな。部長と国光恋人同士っぽかったからな。
付き合ってるのかどうかはわからないけど。」
「「「恋人?」」」
「そうそう。痴話喧嘩してるみたいだった。」
「あははのはー!」
「あの手塚が?」
「どんな感じだったの?」
「人目を避けてランデブー状態」
「「「ランデブー?」」」
「うん。でそこに乾さんが遭遇しちゃったもんだからね。おかしな構図なの。」
「乾?」
「うんそう。乾さん。」
「どんな感じだったの?」
「泥沼三角関係」
「「「泥沼三角関係?」」」
昨日テレビで知った言葉なんだけどそっくりだったな
「部長の恋人が国光で、愛人が乾さんって感じだったな。」
「あはははは〜!!」
「想像できニャ〜い!」
「なんで?みんな知らなかったの?」
「「「何を?」」」
「乾さんって、部長が好きなんだよ。」
「「「え〜〜〜!?」」」
「デートノートも持ってるし。中身見てないけど。」
「「「デート?」」」
「乾さんとデートしてるってことは、国光は恋人じゃなさそうだね。
国光はあんまり外で遊ぶほうじゃないし。
そしたらやっぱり部長の恋人が乾さんかな。
それで愛人の国光と痴話喧嘩?」
「「「あはははは〜!!」」」
そんなにおかしい?
なかなか笑いが止まらないのね
「(あはははは)て、っ手塚が愛人…」
「秀一郎、変かな?」
「(あはは)乾が恋人ね……」
「周介、どう思う?」
「(あはははは)でも気持ち悪いニャ〜」
「英二、男性が男性を好きになるのはよくあることよ。」
「それでもちょっとな……」
「秀一郎ってゲイ差別主義者なの?」
「そんなことはないけど……はぁ。」
そんな風にはみえないけどね
っていうか逆にゲイっぽい?
周助もユニセックスだし
まともなのは英二くらいか
「あんまりため息ばかりついてると幸せが脱げるでしょ。気をつけなさいよ。」
「幸せが逃げるんニャってのは聞いたことあるよん」
、それ誰に教わったの?」
よ。」
が一番まともかしら?
それとも一番おかしい?
そうね、なんとも言えないわ



って誰ー?どんな人ー?という会話にまた華が咲いて
結局HRの時間までさぼってしまったバカ集団がここにいた



次行ってみよー





あとがき

手塚VS乾ですねー
個人的にはこの回が一番スキだったりする
書いてて面白かった
っていうか書きながら笑ってた



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送