おにごっこ 3



「桃ちゃんと薫ちゃん追加?」
残された紙切れをが声にだして読むとメンバーは気合を入れた
その中で一人思考を張り巡らせる男がいた
「・・・・・・追加?」
手塚は思考を働かせてからストレートに疑問を投げかけた。
その疑問に反応した不二が自問自答している手塚に声をかける。
「追加って追加だよ♪」
「ああ・・・、その通りなんだがな。」
「何考えてるにゃ〜?」
「何か変なことでも書いてあるのかい?」
「ナニナニ〜?気になるぅ〜!」
皆の憂かれ気分に手塚は水を挿すように答えた
「はじめからやりなおすのか?」
「「「・・・!・・・」」」
そういえばそうだ
「追加するからにはルールの確認が必要だ。」
「ってことは桃城と海堂をまず探してからってゆーこと?」
「ああ。」
手塚の普段言葉少なめの為か、ふとしたときに威力を発揮する
よってメンバーはそうしなければいけないのだと洗脳されてしまうのだった
ほとんどがダルイなと思ったところに、
おそらく当の手塚さえも少し面倒だと感じたところに助け船がひとつ
その中で異質な不二がこう切り返す
「もう隠れてるんじゃないのかな、きっと♪」
もちろん異端児という点ではも同じだけれど、まっすぐ言葉を受け止めてしまう節がある
というわけで今回は不二が主導権を握った
どちらかといえば不二は笑って見守るタイプだが、開眼をしているところから察するに、
手塚パワーで成り行きがあやしくなったことが不快だったのであろう
面倒なのは嫌いなのだ
おそらく自主練習など好んでするタイプではないだろう
押せ押せムードの不二に対処したのは河村である
「フジコ、まずどうすればいい?」
「フジコって誰?」
のツッコミにモヤのかかった空気が払われる
「不二のことだよん。アダナだよん。」
菊丸はいつもの明るさを取り戻したようだ
「なんでそんなアダナついてるの?」
「さぁ〜。ルパンと関係あるんじゃにゃい?」
「どろぼうルパン?」
「そうにゃ。るぱんさんせーいってね。」
「何ソレ」
「にゃにぃぃ!?知らにゃいのん?」
「知らなくて悪いか、ボケエージ。」
「うにゃー。あったまきたにゃっっ。」
「ついに頭にキタのか、バカエージ。」
「うにゃーっっ!!」
「あっはっは。ネコめ、くやしいなら言い返してミソ?」
「うにゃ?・・・・・・ミソ?」
「・・・・・・ミソ。」
「・・・ミソっぱ?」
「・・・ミソミソ。」
「「・・・・・・」」
以心伝心。と菊丸は話している話題について通じ合った
「プククッ。・・・二人とも置いてくよ♪」
すでに置いて行かれているところだ
不二は笑っている。心なしか手塚は苦笑している。大石はセリフを繰り返している。
河村は何のことだかわからないようだ。
「さすがはゴレンジャーよね・・・よくこんな古い歌知ってるわね・・・・・・」
「あぁ〜、置いてくにゃぁっっ〜」


60年代の洋楽の話題で盛り上がりながら不二についていくと校舎を出てしまっていた
「校舎内を探すんじゃニャいの?」
そんな菊丸の疑問に不二はクスッと笑っただけで答えない
皆はただついていくだけだった
するとおなじみのテニスコートが近づいてきた
ここに何の用があるというのだろう
「ぶちょーはどこかな♪」
「なんだおまえら。何しにきた?」
「皆こっちに居るんですよね♪」
「な、なんだよ・・・ここには居ないぞ。」
「部長は居場所知ってますよね♪」
「し、知らん知らん。他を当たってくれ!俺練習あっから。じゃなっっ。」
部長はそう言って逃げだした
不二はクスッと笑ってすぐ近くで素振りをしていた一年生の部員を捕まえる
「な、なんすかっ・・・(怯)」
「えっと君は・・・」
「荒井ですけど・・・。」
「乾見なかった?」
「たしか先輩達とゲーム中ですよね?」
「うん♪それで乾見たよね♪」
「教えるなって言われてますけど・・・・・?」
「面倒だからいいんだよ♪」
「・・・・・・。」
「教えてくれないの?」
「・・・すいません。」
不二があとひと押しというところでが口を挟む
「桃ちゃんと薫ちゃんはどこ行ったか知ってる?」
「・・・すいません。それも口止めされてるんです。」
不二がちょっと聞きだす手順を間違えたかなと苦笑いを浮かべたところに手塚が声を発した
「どのへんにいるかだけでも教えてくれないか?」
「///・・・・・部室です。」
そういって、一年生の荒井は焦りながらも部室を指す
この時点で荒井が手塚フリークである事が判明
「そうか。ありがとう。」
「あ・・・あの・・・・。」
「なんだ。」
「あ、握手してくれませんか。」
「・・・・・・。」
あっさり質問に答えた荒井に不二は機嫌が悪くなりかけていたが、
握手という言葉になんなんだ・・・と戸惑う手塚を見て楽しくなった
はてなマークを浮かべながら握手している手塚を尻目に
メンバーはさっさと部室へ向かうことにした
「・・・・・・。待ってくれ。」
駆け足で追いついた手塚と共にメンバーは部室の目の前に到着した




「ここに誰がいるのかな?」
ワクワクしながら河村が話しだす
予想大会がいまにも始まりそうだったので
大石はみんなを静かにさせて扉のノブにそっと手を掛ける
「静かに。いいかい・・・・開けるよ・・・・。」
カチャ
・・・・・・
メンバーは沈黙したまま目を見合わせる
・・・・・・・・・・・・
ガチャガチャ・・・・・
鍵がかかっているようだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガタッッ
中から物音が聞こえた
ということは中に誰かがいるのだろう
「どうやって扉を開けるかだよね♪」
「誰か鍵取りに行くかい?」
「あー。それなら必要ないわよ?」
「ぶちょーのトコ行けばいいにゃ!」
「それも必要ないわよ?」
「ならどうする。」
「タカさんがここにいるわ。」
「え?ぼ、ぼく?」
は近くにあったラケットを河村に託す
「どりゃあぁぁ〜!!開けるぜモンキー!!!!」
モンキー??とメンバーが不審に思ったのもつかのま
どかっと河村は扉を蹴破った
「壊しちゃったね♪」
「悪ぃ子はいねえーかあぁぁー!!」
河村はなまはげ祭りの鬼状態にシンクロ中
なまはげを知らないもとりあえずリピートリピート
「悪ぃ子はいねえーかあぁぁー!!」
「わりーコはいねーかー」
リピートアフタミー大会になっている河村&組をよそに
大石は冷静に部室の中を見まわす
「いないみたいだよ。」
すでに逃げられてしまったのだろうか・・・
不二は窓際まで歩いていくとしばらく窓を見上げてから振りかえる
「窓鍵閉まってるから、この中のどこかに居るね♪」
カタッ
不二の声に反応したかのように物音が聞こえた
手塚は少し考えると話し始めた
「隠れてるのか?確かこれは鬼ごっこだったな。ならば隠れるのはルール違反だ。」
どこかでギクッという音が聞こえた気がした
「・・・・・・・・・・・・グラウンド・・・」
とそこでがたがたという音と共にロッカーがゆれて倒れた
ガシャーン
倒れたロッカーから出てきたのは桃城武一年生
「あたた。あっちゃ〜。」
上級生に囲まれ苦笑いしながら桃城は頭を掻いている
先輩、もうこんなに見つけたんすか?」
「見つけたって桃ちゃんこれ鬼ごっこだし?」
「あ・・・・。」
「まあいいけど。ココにいるの桃ちゃんだけ?」
「ああ。はい。」
「薫ちゃんは?」
「体力つけるとかいって乾先輩に指導してもらってるハズっす」



薫ちゃんはマラソン中であった
乾はストップウォッチを握ってひとり突っ立っている
「あ〜。乾ってば個人指導だー。私には教えてくれなかったくせにー。」
「なにぃっっ!教えてくれなかっただとぉぅっっ!!」
まだ河村はラケットを持っていたらしい
「うどりゃー。せーさいだー。」
「うんどりゃぁっっっ!制裁だあぁぁぁー!!!」
リピートアフタミー
大石は冷静に河村からラケットをぶんどった
「なぜだー」
「・・・・・。」
「ん?・・・・援護射撃消えたのね。」
「ご、ごめんよ・・・。」
「まあいいや。乾、薫ちゃんも体力つけるって?」
「うん。誰よりも体力つけたいんだって☆」
「メニューは?」
「ええっと・・・・・コテ調べに10km」
「へぇ・・・結構多いね。」
「でもコレの2倍やるんだってさ。」
「多すぎ・・・。」
「はじめたばかりは無理でもそのうちこなせるようになると思うよ。」
には無理だね♪」
「そうね。鬼ごっこがお似合いだわ。」
「あんまり走ってないにゃー。」
「そういえばそうね。・・・・・そのうち走るでしょ。」


ふざけあっていたところに、テニスボールがこちらに飛んできた。
一年生が向こうで謝っている。
その球を返そうとして投げ返すと・・・・・・・・・・・・・木にぶつかって地面にはねる
ぶぅぅ〜〜〜ん
妙な音が聞こえる
その音はだんだん大きくなり、音のする方向から黒いモヤが近づいてくる
目を凝らすとソレは蜂の大群だった
速攻では全力で逃げ出し、後をメンバーがついてくる
出だしで遅れた乾が慌てて叫ぶ。
「先に行かないで!!!」
こうして海堂&を筆頭にメンバー全員が濃度の体力作りをするハメになるのである









おまけ

どうやって蜂の大群からにげたのだろうか
何キロも追われて”あああーっっっ!!”という絶叫しながら全力疾走したあとに
買い出しから帰ってきた一年生とすれ違った
その一年生はメンバーの必死な姿に首をかしげた
桃城がマサおまえも逃げろっと叫んだのだが時すでに遅し
一年通称マサやんは、生贄と化すのであった
顔中に挿された痕は、いちねん経っても治らないのである



次行ってみよー





あとがき

”ミソ”ネタわかる人は少ないだろうな(いいもん理解できても笑えないもん。ぇ?)
ほんとはミソでアノ人を話題にだそうかと思いましたがやめました(知らないから)
それより荒井にとって、手塚は憧れの人なんです(かなりの自信アリ予想)
さて・・・かなりロングになるかと思われましたが三本でおわりましたね
長いのきらいなので(ぇぇっ?)・・・・サックリ終わると気分がいい
そして自作はシリアスです(笑)



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